【2023年11月】「CBDとマインドフルネス、根本から解決する統合医療」朴澤耳鼻咽喉科/統合メディカルケアセンター Tree of Life 院長/センター長にインタビュー 

大麻は、日本では『大麻取締法』で厳しく規制されています。世間的にも『ダメ、ゼッタイ』というイメージが広く浸透しています。

大麻草の葉と根に含まれるTHCが、大麻の主成分です。

日本の大麻取締法では、「大麻」とは、大麻草 及びその製品をいいますが、大麻草の成熟した茎及びその製品、並びに大麻草の種子及びその製品を除くとされています。

大麻草の種子や茎に含まれるCBDは、人体に有害性がなく、てんかんなどの病気の治療に有益であることが、海外の研究で明らかになっています。 日本国政府も、今年10月24日の閣議決定で、大麻草を原料にしたCBDの使用を認めています。 

そこで今回、仙台にて朴澤耳鼻咽喉科/統合メディカルケアセンター Tree of Lifeを開院されていらっしゃる医師の先生に、医学的な視点で見たCBDとマインドフルネスの関係について、お話を伺いました。

耳鼻咽喉科本来の局所の治療に加えて、自律神経や栄養、アレルギー、腸内環境、ホルモンバランスなど、患者様の全身のバランスを診る治療をしています。

耳鼻咽喉の保険診療のクリニックなのですが、 統合メディカルケアセンター Tree of Lifeを併設し、自律神経のケアなどを保険外診療で行っています。

例えば、ホルモンバランスについて婦人科の先生が、更年期で見ることはありますが、耳鼻科で見ることはありません。

栄養のバランスに至っては、実際にクリニックでやられていることはほとんどありません。

要するに、総合的に患者さん全体の状態を見ることが、 このクリニックを始めた目的でした。

2011年に開院しましたが、開院直後に東日本大震災が起こり、日頃経験したことの無いストレスを体験し、様々な問題を抱えて受診される方が非常に多くいらっしゃいました。

西洋医学では全く太刀打ちできないけれども、補完医療を追加することで皆さんの健康をとり戻す事ができたという経験があります。

  1. 2013年:CNNが6歳のシャルロットちゃんのてんかんがCBDオイルで治療されたドキュメンタリーを放映。
  2. 2017年:世界保健機構がCBDの効果を肯定的に評価する報告書を発表。
  3. 世界ドーピング防止機構:禁止薬物からCBDを除外。
  4. 米国食品医薬品局:2018年6月、CBDを有効成分とする医薬品EPIDIOLEX(効能、抗てんかん)を承認
  5. 米国連邦議会:2018年、THC0.3%以下の農業生産物をヘンプと位置付けて適法とする農産物規制法を可決。
  6. NIH(アメリカ国立衛生研究所):2019年9月、THC以外の カンナビノイド類に関する調査に着手したことを発表。
https://cbd-guidance.com/situation/embed/#?secret=IP2AGi7T5Q#?secret=yCBSG7HnMJ

CBDがてんかんの治療に有効であることが明らかになり、CBDを医薬品として取り扱う国が増え、世界保健機構での見方も変化しています。

一般的には、瞑想のイメージが強いと思いますが、そうではありません。

普段私たちは、今、ここにいながらも過去の嫌なことに引きずられたり、あるいは将来の不安なことに惑わされたりして、ストレスを感じてしまうことがあります。

でも、それは良くないですね。

やはり今ここにいるんだから、今の自分をもう1度ちゃんと見つめることで、過去の嫌なことも忘れられるし、 まだ起こっていない将来のことに不安を感じることもなくなります。

マインドフルネスは、今の自分でいる事を教えてくれます。

一方、毎日の生活にストレスは多く、今いる社会環境や、家庭環境を変えることは難しいものです。

例えば昨日誰かに何か嫌なこと言われた時に、 それをどういう風に消化して、ストレスを避け、周りの人とどう付き合っていけばいいのか、学校では教えてくれませんでした。

実は、マインドフルネスは、単なる瞑想ではなく、今の自分に集中したり、ストレスとどう向き合うかを学ぶ方法なのです。

当センターでもMBSR(マインドフルネスストレス低減法)を実施する予定です。

医療の現場で実践しようと考えた理由は、大きく2つあります。

1つ目に局所的に健康状態が良くなっても、また再発して再診療のケースが多く見られたこと。

2つ目に私(朴澤 博美センター長)が、外資系コンピューター企業で働いていたときに、オーバーワークで鬱症状を発症し、仕事を辞めざるを得なくなってしまった事がありました。

その時に、統合医療と言う、心の問題、体の問題、栄養不足、瞑想などをトータルにみる治療を受けた途端に、凄く元気になったという実体験があり、この体験をもっと多くの方々に広めていきたいと考えた為です。

8週間のMBSRプログラムでストレスと向き合う方法を学んでいくと、今後の人生の幸福度が上がることが期待できます。

Googleの人材育成にMBSR(マインドフルネスストレス低減法)を取り入れたところ、社員のモチベーションが上がり、プライベートでも、仕事上でも、パフォーマンスが上がり、企業の売上が上がったという結果が出ています。

ハッピーな気持ちを持続できるってこれはすごい!ということで、アメリカから世界に広がり、英国では教育現場にも、カリキュラムとして取り入れられています。

MBSR(マインドフルネスストレス低減法)とは?

1979年、MBSR(Mindfulness Based Stress Reduction:マインドフルネスストレス低減法)はマサチューセッツ大学メディカルセンターのストレス低減クリニックで、Jon Kabat-Zinn博士とその同僚によって開発されました。今日では、世界中の医療機関、福利厚生機関、教育機関、会社経営の現場等で、広く利活用されています。

MBSRは8週間にわたる、マインドフルネスの集中トレーニングです。このプログラムは、もともと、慢性的な痛みやストレスを抱える人に向けて開発されたもので、取り除くことが難しい痛みに対し、それとうまく付き合っていくことを学ぶことで、人生をより豊かにしていくことを目的としていました。今日では、医療の分野以外に広く応用されています。

このコースに参加する多くの人は、自分自身の人生との関わり方をよりよいものにすることを目指しています。

https://www.mindfulness-japan.org/about-mindfulness/about-mbsr/

CBDは、大麻草から取られるので、大麻のイメージがあるかもしれません。

でも、最初にお話ししたように、大麻のように麻薬ではなく、依存性も有害性もなく、合法で、様々な有益な作用があります。

正式には、CBDは植物性カンナビノイドの一つです。

実は、私たちは体の中で 内因性カンナビノイドを作り、内因性カンナビノイドシステムを介して、恒常性、ホメオスタシスを保っています。

ですから、由来は同じ大麻草でも、CBDと大麻をはっきり区別するべきです。

患者さんには、ふぐを例えに説明します。

ふぐ料理は、とても美味しいですが、ふぐには毒があり、ちゃんと調理していないふぐを食べると、呼吸が止まってしまいます。

ふぐを調理する免許を持った板前さんがさばいたふぐを食べると、美味しいふぐ料理を安全に楽しむことが出来ます。

CBDも、信頼できるメーカーが製造したCBDを、医師の指導の下で使うと、安全に、ご自分の健康に良い作用を得ることが出来るのです。

今回はマインドフルネスに関係の深い脳や神経に発現している受容体『CB1』に限ってお話をさせていただきます。

神経が他の神経に情報を伝えるとき、神経伝達物質を放出します。

それに対する受容体がある神経は、情報を受け取ることができます。

内因性カンナビノイドは、情報を受け取る側の神経から放出され、過剰に神経伝達物質が放出されないようにコントロールしています。

例えば、 僕らは毎日の生活で様々な感情の動きがありますが、これは脳内ホルモンによって制御されています。

脳内でドーパミンというホルモンが出るとやる気が出ます。ドーパミンが少ないとやる気がなくなりますが、逆にドーパミンが過剰にでると、ゲーム依存症や買い物依存症のような依存症になってしまいます。

そのような状況を避けるため、内因性カンナビノイドは、ドーパミンの分泌をコントロールして、感情に振り回されないようにしています。

こうして、内因性カンナビノイドは、私たちが、いつも安定した状態(ホメオスタシス)を保つように働いています。

外からCBDを取るとき、少ない量だと内因性カンナビノイドの受容体をブロックするように働くことがあります。

その結果、眠るためにCBDを取ったのに、目が覚めてしまったと言うことが起こります。

逆に、CBDをより多く取ると、CB1受容体が増えたり、内因性カンナビノイドを分解する酵素を抑えることで、内因性カンナビノイドの効果を高めるように働きます。

不足したビタミンを補充するために、ビタミンのサプリメントを飲む事に比べると、CBDと内因性カンナビノイドの関係は複雑です。取るCBDの量によって、全く異なる作用がでてしまう事があるのです。

どれぐらいの量のCBDを飲んだら良いかは、集中して仕事を頑張りたいのか、リラックスしたいのか、 あるいは眠りにつきたいのかと言う目的によって変わります。

同じ目的でも、どれぐらいの量が必要なのかは、人によって異なります。

CBDの効果の差には個人差があり、20倍も違う事もあると言われています。

ですから、「あなたの目的にはこれぐらいのCBDを1日何回飲みなさい」という風に教えてくれる人がいると、 CBDをより効果的に利用することができます。

ふぐを安全に美味しく食べるのに、ふぐをさばく免許を持った板前さんが必要なように、CBDを、安全に有効に活用するためには、CBDの知識を持った医師のアドバイスが大切です。

大麻は、日本では『大麻取締法』で厳しく規制されており、世間的にも『ダメ、ゼッタイ』というイメージが広く浸透しています。

その為、CBDが良いものであると分かっていても使ってみたいと思われる方々はまだまだ少ないのが現状です。

繰り返しますが、CBDは、大麻ではありません。

麻薬ではなく、安全で、依存性もなく、合法で、私たちの恒常性、ホメオスタシスを保つために有益です。

ストレスが多いアフターコロナの時代を、上手に生きて行くには、CBDとマインドフルネスを活用することがポイントです。

ストレスにどのように対応するかを、マインドフルネスで学ぶことも大切ですし、 ストレスが溜まってしまったときには、CBDで過剰な反応を避ける事も可能です。

個人の悩みをストレスとして溜め込まないと、ホメオタシスが保たれ、健康で幸せな生活ができるようになります。

心と体の健康が乱れてしまい、精神科で抗精神薬を処方されても、なかなか良くならないという方がいらっしゃいます。

向精神薬をやめて、健康を取りもどしたいという患者さんにお勧めします。

ワンオペの育児で疲弊している方とか、本当に健康になりたい方、心を整えたい方、仕事や勉強を充実させたい方、感情のコントロールが苦手で病院に行くほどではないけれど、課題意識を持たれていらっしゃる方、人間関係にお悩みの方、コミュニケーションを少し円滑にしたい方など、とにかく様々なシーンで使えるので、人生100年時代の必要なスキルだと思います。

症状をお持ちの患者様だけでなく、このストレス社会に息苦しさを感じている皆様にもお勧めします

現状のCBD市場には、乗り越えなくてはいけない課題がいくつかあります。

麻薬であるTHCが混入した製品が流通するリスク

CBDは日本の法律上合法であり、多くの健康によい効果が明らかにされています。一方、THCは多幸感を覚えるなどの作用がある麻薬であり、THCを含むヘンプ製品の販売や取引は禁止されています。製造過程で誤ってTHCが混入した場合、違法薬物として法的な処罰を受けることになります。

成分分析表の確認

CBD製品を取り扱っている業者は多くありますが、それらの業者の中にも良し悪しがあります。CBDや大麻についての専門知識があり、きちんと責任をもって販売を行っている業者を選ぶことが大切です。信頼できるメーカーは、自社のCBD製品を研究所などの第三者機関で、成分に問題が無いか、確認しています。

現在服薬中の薬とCBDの相互作用

薬の代謝や効果に良くも悪くも影響を与える可能性があります。現在服用中の薬がある場合、一度医師へ相談しましょう。

日本の正規輸入代理店などのCBD専門の業者か

海外で流通しているCBD製品は、日本とは違う基準で製造されていることがあります。特にTHCの含有量の規定は国によって異なるため、他国では合法でも、日本では違法であることがあります。

ストレスの多い現代社会ですが、アフターコロナでは、私たちを取り巻く環境は更に複雑になっています。

その中で、如何に恒常性、ホメオスタシスを保つかが、毎日を楽しく健康に、そして幸せに生活するために大切です。

ストレスに対応する方法をマインドフルネスで学び、ホメオスタシスを維持する内因性カンナビノイドシステムを活性化する事が重要です。

加齢とともに、内因性カンナビノイドは少なくなるので、CBDをうまく使うことも必要です。

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